女性客は振り向き、驚いた顔をして俺を見る。 その顔を見ると、俺と年端も変わらない少女だった。 そのまま逃げようとしたので、俺は手首を掴む。 「手、見せて。今、万引きしたよね?」 少女は泣きそうな顔をして、 「あたし、逮捕ですか?」 と言った。 展開早いな。 これは、常習じゃない。 ちょっとしたスリルを味わいたかった、せいぜいそんなものだろう。