「分かりました。ゆっくり休んでくださいね」 「申し訳ない」 咳き込みながらオーナーは帰宅の準備を始めた。 「台風きてるみたいだから、気をつけてな」 「オーナーも」 深夜勤務の場合、二人以上の勤務が鉄則だ。 だけど、そんな余裕のあるコンビニばかりではないから。 「朝まで一人か。結構長いな」 何もなければいい。 そう思い、俺は作業を続けた。 風が強いな。 嫌な風だ。 夜の闇をより深くする、そんな風が吹き荒れていた。