「タイミング悪くて申し訳ないんだけど……」 ああ。 まさにタイミング悪いです。 オーナーは珍しくおずおずと話しだした。 雑誌を床に置いてオーナーを見ると、顔色が悪い。 「ちょっと風邪ひいちゃったみたいでね」 「大丈夫ですか?」 「大変大変申し訳ないんだけど、今日任せていいかな?」 オーナーはうちの家計が苦しいことを知っていて、内緒で夜間もバイトに入れてくれている。 感謝してもしきれない。