ぼくは結果的に、弱った草食動物を力づけるライオンになった。


アズミは翌日、大荷物を持って、ぼくの部屋にやってきた。


「わたし、家、出てきちゃった」

「まじかよ?!」

ぼくはそのとき、食べかけていたバタートーストを落としそうになった。


「親は?なんて言ってるの?」

「ケンカばかりしてる親に反対なんて出来ないよ。この場所は言ってない」

アズミは平然として言った。

信じていいものか?