やっとの思いで外に出たあたし達を待って居たのは
冷たく降り注ぐ大粒の雨



「雨……降ってる…」


さっきまで目を細めてしまうくらいの太陽が出てたのに


辺りはいつの間にか真っ暗で

園内にはごくわずかな来場客が雨宿りしていた



「せっかく誕生日なのに……」


ポツリと呟いたあたしに飴玉男が再び手を繋いで来た



「本当に……飴玉男じゃなくて雨男だね。」


繋いだ手が
自然とあたしに笑顔を呼んで


いつもなら
ぶっきらぼうに言ってた言葉が



今日は優しく言えた





誕生日だからかな?


優しい気持ちがあたしを包んでて




この手を離したくない



何故かそう思ってる自分がどこかにいた