「お邪魔しまーす…」


バスを降りて
歩いて3分



相変わらずだだっ広い飴玉男の家



長い長い廊下を抜けてやっと着いた飴玉男の部屋は
涼しい風が吹いている



「何でクーラー付いてんの?」


不思議に思ったあたしはそう尋ねてみた



「俺が帰って来る時間に合わせてクーラー付けてくれてるんじゃないかな。多分。」


何だそれ……



意味わからない。




久々に飴玉男を御曹司だと感じる瞬間





「んじゃ、早速始めますか♪」


飴玉男の掛け声と共にあたし達は教科書を開きながらシャーペンを握る





何これ……全然わかんない…


開かれた数学の教科書


難しい数式が並んで
あたしは手が止まってしまう