「バカじゃない…」



あたしは聞こえないくらい小さな声で呟いた





「なーにぃ?聞こえなーい!」


5m先で飴玉男が耳に手を添えて叫んだ



「ハズレでーす!」


そう答えたあたしは再び駅への道のりを歩き出した





「嘘!絶対当たってるくせにぃ!」


そんな飴玉男の言葉が風に乗ってあたしの耳に届く







悔しいから
この想いは伝えてあげない



あたしの心を簡単に見透かしちゃう


飴玉男




「本当にハズレ!お腹空いたなぁって考えてたの♪」


「えーッッ!」




だからまだ言わない



スキ





大好きだよ。