「ありがとね、桃ちゃん♪」


箱に綺麗に包まれたネクタイを
嬉しそうに持ちながら軽快な足取りで歩く飴玉男


「選んだだけじゃない。何も箱に入れてもらわなくても…」




あれから改めてネクタイ選び始めたあたし達


次から次へ色んなお店を見て回るけど
やっぱり飴玉男は決められなくて

そんな時突然


「桃ちゃんが選んで!」



そう言った飴玉男に
渋々選び始めたネクタイ





「これは桃ちゃんからのプレゼントなの!」

「あたしお金払ってないし。」



そう
  ・・・
ただ選んだだけ



あんな高いネクタイ買ってあげられる訳ないじゃない!



「いいの!桃ちゃんが選んだだけで特別になるんだよ♪」


ドキ……ッ




不意に見せる笑顔に
あたしの心臓は音を立てた




何で……

そうゆう嬉しい事をさりげなく言えるんだろう




あたしはあなたに

たくさんの言葉をあげているけど




嬉しい


そう思ってくれるような言葉


伝えてあげられているのかな