「寂しい?」 ニヤニヤしながらあたしを覗き込む千絵 「べッ、別に!」 「素直じゃないんだから~。」 からかう千絵を追い越して あたしは廊下を早歩きで進んだ ――キーンコーン…… 教室に鳴り渡るチャイムを合図に 生徒達が帰る支度を始める 「ん~……ッ」 あたしは体を伸ばしてカバンに荷物を詰め始めた 「桃、あたしバイトだから先行くね。」 「ん、また明日ね。」 千絵と軽く挨拶交わして あたしはゆっくりとバス停へ歩き出す