「桃ちゃん?入りなよ。」 「話って何。」 あの後 あたしはバス停で泣き崩れた 人前であんなに泣く事は初めてで 飴玉男はあたしが泣き止むまで抱きしめてくれていた そして泣き止んだあたしに 「俺ん家行こう?」 そう言った 「今お茶持って来るから、適当に座ってて!」 なかなか部屋に入らないあたしを見かねたのか 飴玉男はそう言って部屋を出た 相変わらず飴玉男の香りがするこのだだっ広い部屋 また泣きそう…… 鼻の奥がツーンとして 涙が溢れないように唇を噛み締めた