『紗波…だよね……?』





『紗…波?って?』




あたしは、ごまかした。





『私も紗波じゃないかって思ってた。助けに来たこともそうだけど、那奈って私のこと呼んだ時に紗波な気がした。』





『あ…あたしが紗波だったら、どうなわけ?あんたらに、こんな友達なんていないだろ?』




あたしが…鬼のお嬢が、紗波だなんて知ったら、絶対に友達でなんかいたくないだろうなって思う。



本当の正体なんて、知らない方が良いんだ。