すっかり暗くなった帰り道。 不幸を噛み締めながら早足で歩く。 もしあのビルの屋上に上って飛び降りたなら、誰かが慌てて助けを呼んでくれるのだろうか。 車が行き交うこの道路に飛び出したなら? これから向かう駅のホームから飛び降りたなら? 一人になるとそんなことばかり考えてしまうけれど、実際やろうと思ったことなんて一度もない。 自分から命を投げ出すような、情けない死に方をしたくはない。 だからいっそ、誰か殺してくれよ。