リリアが着替える服を用意している間に、クリスは力を振り絞り寝台から抜け出した。



「起きてはいけません!」



戻ってくると寝台の横に立っているクリスに言う。



「……着替え……を……」



リリアの方へ手を伸ばす。



「自分で……出来る」



頑なな態度にリリアは刺激しても良くないと考えて着替えを手渡した。



「わかりました 少し出ていますから」



リリアは部屋を出た。




やっと着替え終わると、寝台の縁に手を置きずるずるとしゃがみ込む。



くそっ!あの大男、今度見つけたらただじゃおかないからな。



自分をこんな目に合わせたあの男を朦朧とする頭で恨む。



衣擦れの音がして脇を抱えられた。



「早く寝台へ横になってくださいな」