「横になってください」


身なりはどうであれ、キース隊長の知り合いならば丁重に扱わなくてはならない。


薬師に手伝われてクリスは横になった。


そこへクリスの口に巻物のような清潔な布が入れられた。


それを見たキースがギョッとなる。



「何をするんだ!?」



「布を挟みませんと痛みで舌を噛みかねません キース様、この方の足を押さえてください」



「うぅぅ……」



クリスは信じられない痛みから逃れようと身体をじたばたさせている。



「娘、我慢するんだ」



キースは暴れる足をしっかりと押さえた。



痛がる娘に顔を背けたくなる。


俺のせいだ。


早くこの痛みが治まる事を祈るしかキースには出来なかった。