目は大きく見開き、眉根が寄る。



「どうして……?どうして……?」



やはり爺さんは盗賊だったのか……?



ふたのない箱の中身はキラキラ光る宝石が入っていた。



いろいろな色の宝石は色あせることなくクリスの顔を照らした。



「爺さん……」



クリスは放心状態で宝石を見つめていたが、紙が隠れるようにして入っているのを見つけた。



それを手に取ると、爺さんの筆跡だった。



そして『クリスへ』と書かれてあった。



読むのが怖かった。



信頼していた祖父がルーファス陛下の言うとおりなのか……。



手紙を持つ手が小刻みに震える。



読めば……俺の過去が分かる。



そういう気がした。