執務室にいつもの面々と沙羅がいた。


「クリスっ!なんてきれいなのっ!」



クリスの姿を見てルーファスの隣に座っていた沙羅がソファーから立ち上がり近づいてきた。



「見て!見てっ!女神のようだと思わない?」



その言葉は男性陣に向けられた。



「期待通りに美しいですね」



そう言ったのはガラムだ。



「あぁ 血筋が現れているようだ 母君にそっくりじゃないか」



ルーファスが言う。



血筋?母君?



クリスはルーファスを怪訝そうに見る。



「なんなんですか?血筋に母君とは?」



「クリス、座りましょう」



沙羅がクリスを促して自分の隣に座らせる。



すぐにクリスの前に良い香りのするお茶が置かれた。



クリスはキースを意識しないようにしていても、自然と目がキースの方へ行ってしまう。



対面で一番手前に座っているキースは無言で表情も何を考えているのかわからない。