過去にイジメられていたことで、自分に自信を無くしているのかもしれない。
いまのクラスでも、他愛もない話なら普通に話すことができる。
でも本音を話せる人はいない。本音を話すのは怖い。
女子にイジメられていたから、男子よりも女子の方が苦手だった。
あたしはまたイジメにあうかもしれないと、心のどこかで怯えているのかもしれない。
クラスメートたちはきっと、
あたしのことを“ひとりでいるのが好きな人なんだろう”と、
そう思っているに違いない。
別にそれでいい。それがラクだった。
大切に想えば思うほど、失ったときが怖い。
裏切られて傷つくなら、いまのままでいい。
あの頃の苦しい思いは、もう二度としたくない。
毎日泣いて、傷つきたくない。
地獄だったあの頃には、絶対に戻りたくなかった。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)