“助けて……”



誰にも届くはずのない

心の声だった



それでも橘くんは

いつだって



あたしを見つけてくれたね



あの頃のあたしは



自分ではどうにもならなくて



本当につらくて

悲しくて……



どうしたらいいのか

わからなかった



そんなあたしの手を



橘くんは

いつも優しく



握り締めてくれたね――。