☆琉生side☆
――――――……
昨日の雨が嘘だったみたいに、朝から綺麗な青い空が広がっていた。
咲下に何があったんだろう。
雨の中、傘もささずに公園のベンチでひとり泣いてた。
きっと、つらいことがあったに違いないけど……。
俺には「大丈夫」と言って、無理して笑顔を見せてた。
あれからずっと咲下のことが気になって、夜もあまり眠れなかった。
朝、いつもより30分以上も早くに家を出て、自転車で走っていく。
学校へ行く途中にあるバス停の近くで、俺は自転車のブレーキをかけた。
この場所は、前にバスに乗り遅れた咲下を自転車の後ろに乗せた場所だった。
「ここで待ってたら会えるよな……?」
俺は、咲下が来るのを待った。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)