逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



――――――……

―――……




「それじゃ……失礼します……」



担当医師から、お母さんの検査結果についての説明が終わり、あたしは診察室を出る。



――ガチャ……バタン。



少し上を向いて大きく息を吸い込むと、唇が震えていることに気がつく。



なんで……?



廊下を少し歩いて、壁に寄りかかった。



こんなの嘘だよね……?



そうだよ……嘘に決まってる。



唇の震えが止まらない。



きっと、なにかの間違いだよね……?



胸のあたりをぎゅっと掴み、



壁にもたれたまま、滑り落ちるようにしゃがみ込んだ。



こんなこと……信じたくない……。



誰か、嘘だって言ってよ。



なんで……?なんでこんなことに……?



瞳に溢れる涙をゴシゴシと腕で拭う。



「……シッカリしなきゃ」



下唇をきゅっと噛みしめる。



あたしは立ち上がり、お母さんの病室へと向かった。