逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




え……?



橘くんの体から離れると、彼はニコッと笑った。



「目、閉じて?」



あたしは首を傾げる。



「いいから。俺がいいよって言うまで目開けちゃダメだよ」



なんだろう……?



彼に言われるがまま、あたしは目を閉じる。



「来て」



そう言って彼は、目を閉じたままのあたしの手をとり、ゆっくりと歩いていく。



「まだ開けちゃダメだからな?」



少し歩いたところで立ち止まった。



「よし。目、開けていいよ」



彼の言葉に、あたしはゆっくりと目を開ける。



すると、そこには、



砂浜に貝殻で並べた文字――。



“Happy Birthday”