まだ薄暗い部屋の中。
同じベッドで一緒に眠っていたはずの彼は隣にいなかった。
ベッドからおりて部屋の中を見てまわるけど、彼は部屋のどこにもいない。
時計を見ると、まだ夜中だった。
こんな時間に、どこに行ったんだろう。
“大切な人は、あたしのそばからいなくなる”
夢の中の言葉が、あたしを不安にさせる。
橘くんは、いなくならないよね……?
どうしてこんなに落ちつかないんだろう。
あたしは汗で濡れたTシャツを脱ぎ、壁のハンガーにかけてあったネイビーブルーのマキシワンピースに着替えて、部屋を出た。
メニュー