逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





「あ、ごめん。昼寝してた?」



あたしは起き上がってベッドの上に座り直し、首を横に振る。



「やっと完成したよ。木のテーブル」



あたしが笑顔を見せると、橘くんは疲れたのか、床の上に大の字になった。



あたしはベッドから降りて床に座り、橘くんの顔を上から覗き込む。



彼はあたしの顔をじっと見つめた。



「……不思議だな」



彼の言葉に、あたしは首を傾げる。



「咲下の顔見ると、疲れとか全部吹っ飛ぶ」



そう言って彼は、あたしに優しい笑顔を見せた。



「咲下」



あたしを呼ぶ彼の声は、いつだって優しい。



手を伸ばした彼は、あたしの頭をそっと撫でる。



「ありがと、一緒にいてくれて」



“ありがと”



その一言だけで、泣きそうになるくらい。



うれしい言葉だった。



この世界で。



生きててよかったって。



そう心から思える、幸せの言葉。