逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





陽太の姿を見たのは、高校の卒業式以来だった。



あの日……。



“ずっと、心の支えにしとったやつがおるやろ?いまも変わらず……”

“そいつの前やったら……凜は無理せんで、おれるんやろ?”



卒業式の日、陽太があたしに言った最後の言葉は……。



“約束……守るんやぞ?”



約束……。



あたしは、隣の車両にいる陽太に気づかれないように、くるりと後ろを向いた。



いまのあたしは、笑顔で陽太に会えない。



声が出なくなったことを知ったら、きっと心配するに決まってる。



何より、陽太との約束を、あたしは守ってなかった。



陽太との約束……。



“橘くんに逢いに行くこと”