逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





駅のホームで、おばさんにメールを打っていた。



少しの間、おばさんのところでお世話になって、ひとりで暮らせるアパートでも探そうと考えていた。



父親の残したお金で、しばらくは暮らしていけそうだったし、ちゃんと病院に行って、声が元通りになるよう治療したかった。



電車を待つ間……目を閉じると、橘くんの顔が浮かぶ。



思い出さない日は、1日もなかった。



あたしの心の中には、いまも変わらず橘くんがいた。



元気でいるよね……きっと。



あれから1ヶ月も経つ。



いまさら橘くんの元に戻ろうなんてこと、考えてもいなかった。



だけど、あのとき――。



ホームに停車した電車に乗り込み、何気なく周りを見ると、



隣の車両に偶然、陽太の姿を見つけた。