逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


「なんで?」



くぼっちは首を傾げて俺を見つめる。



「沖縄から帰ってきたあと、なんとなく咲下の元気がないよーな」



「そうか?別にいつもと変わらない気がするけど?」



修学旅行から帰ってきて1週間が経つ。



咲下の様子が、どこか気になって仕方がなかった。



ふとしたときに見せる、どこか不安げな表情。



ボーっとなにか考え事をしているような時も多い。



「気になるなら直接、咲下に聞けばいいじゃん」



「うん……」



それが簡単に出来たら、俺だって悩んだりしない。



話しかけるのだって、本当はけっこう勇気がいるんだ。