逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




底抜けに明るくて、いつもふざけてばっかりで。



でも本当は誰より優しくて思いやりがある。



それは高校の頃から、ちっとも変わらない。



くぼっちって、そういうやつ。



「ありがとな、くぼっち。くぼっちがいなかったら俺……」



起き上がったくぼっちは、両手で俺の頬を挟み込む。



「あらあら琉生くん。珍しく素直でちゅねー。かわいいでちゅねー」



そう言ってくぼっちは、白い歯をニッと見せて笑った。



「……ホント、マジメに話そうとした俺がバカ」



久しぶりに会ったから、つい、くぼっちのペースに巻き込まれてしまう。



「ハハッ。なんか久々に橘と会ったから本当は照れくさくて」



「会うのは久しぶりだけど、しょっちゅう電話してくるじゃんか」



「ねぇ、嫌なの!?」



「嫌じゃないっす。うれしいっす」



「はぁー。なんかおまえ、幸せそうでうらやましいわ。咲下パワーすげぇな」



波打ち際を、彼らと一緒に走り回っている彼女の姿を見つめる。



「たくさん遠回りもしたけど、ホントによかったな」



「うん」



「ふたりのこと見てたらさ……運命の人って本当にいるのかもって思った」