逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




水の入ったバケツの中に、終わった線香花火を入れたあと、



砂浜にくぼっちと俺は、並んであおむけに寝転がった。



「それにしても、この星空はヤバいな。感動だわ……」



目に映る景色は、星空でうめつくされる。



「だろ?毎日見てても飽きないよ」



「こんな綺麗な景色に囲まれて暮らしてるんだし、咲下の声もきっと……すぐに治るよ」



「うん……」



俺はくぼっちのほうに向いて微笑んだ。



少しの間、黙り込むくぼっち。



起き上がった俺はあぐらをかき、上からくぼっちの顔をのぞきこんだ。



「くぼっち……泣きそうになってる?」



「なんかさ、いままでの橘と咲下のことを思い出してたら……やべぇ……」



そう言って瞳に涙をためて微笑むくぼっちは、指で目をこすった。