逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




花火も残り少なくなってきて、



くぼっちの友達3人は、裸足になって波打ち際で遊んでいた。



「凜ちゃんもおいでよっ」



そう言って彼らの中のひとりが、咲下の腕を掴んで走って、波打ち際へと連れていく。



はしゃぐ彼らに交じって、咲下も逃げ回ったり水をかけたりして、楽しそうにしていた。



その様子を砂浜に座って見つめながら、線香花火対決をしている俺とくぼっち。



「咲下って、あんなふうにニコニコ笑う子だったっけ?」



くぼっちが俺に聞いた瞬間、俺の線香花火の火玉がポトッと砂の上に落ちた。



「よっしゃ!俺の勝ち~。橘、5人分のジュースおごりな?」



「はいはい。喜んで」