花火も残り少なくなってきて、
くぼっちの友達3人は、裸足になって波打ち際で遊んでいた。
「凜ちゃんもおいでよっ」
そう言って彼らの中のひとりが、咲下の腕を掴んで走って、波打ち際へと連れていく。
はしゃぐ彼らに交じって、咲下も逃げ回ったり水をかけたりして、楽しそうにしていた。
その様子を砂浜に座って見つめながら、線香花火対決をしている俺とくぼっち。
「咲下って、あんなふうにニコニコ笑う子だったっけ?」
くぼっちが俺に聞いた瞬間、俺の線香花火の火玉がポトッと砂の上に落ちた。
「よっしゃ!俺の勝ち~。橘、5人分のジュースおごりな?」
「はいはい。喜んで」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)