逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





――――――……



満天の星空の下、砂浜に打ち寄せる波の音。



心地いい海風に包まれる。



仕事を終えた咲下と俺は、くぼっちたちと一緒にペンション近くの砂浜で花火をしていた。



くぼっちの友達は、最初の印象通り3人とも明るくてノリがよく、



俺も咲下も今日が初対面とは思えないくらいに彼らと打ち解けていた。



手持ち花火を両手に持って、それをくるくると回している咲下の笑顔。



砂の上に置いた小さな四角い箱から噴水のように噴出す花火を見て、手を叩いてうれしそうな咲下。



楽しそうな咲下を見つめていたら視線を感じ、そのほうを向くと、くぼっちがニヤニヤしながら俺の顔を見ていた。



「……なんだよ?」



「いやぁ……別に~?」



くぼっちの言いたいことは、言われなくてもわかる。



“咲下のこと、どんだけ好きなんだよ?”



そうくぼっちの顔に書いてある。



「ニヤニヤすんなよ」



そう言って俺が目を細めると、くぼっちは口を尖らせて言った。



「元々こういう顔なんですけどぉー」



俺は両手でくぼっちの頬をグイッとつねった。