逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




くぼっちは咲下を抱きしめたまま、咲下の背中をポンポンと叩く。



「また会えてうれしいよぉ~咲下~」



「……いつまで抱きついてんだよ?くぼっち」



俺の言葉に咲下の体を離したくぼっちは、咲下にニッコリと微笑んだあとで、俺のほうを見た。



呆れている俺の顔を見て満面の笑みをこぼすくぼっちは、勢いよく俺に抱きついてくる。



「琉生きゅーん!もぉー会いたくて会いたくて、震え……」



「はいはい、それはどーもねー」



くぼっちの言葉を途中で遮って言うと、くぼっちは俺の体から離れて、不満そうに口を尖らせた。



「おい、ちょっと待て。咲下への愛を俺にも分けてくれや」



「ハハッ。無理」



「ねぇ、咲下。聞いて?橘って咲下にはちょー優しいくせに、俺にはちょー冷たいの。橘が咲下のこと、どんだけ好きかっていうとね……」



咲下の肩を抱きながら小声で話すくぼっちのケツを、俺は思い切り蹴り飛ばす。



「イテェッ!……咲下ぁ~助けてぇ」



咲下の後ろに慌てて隠れるくぼっち。



「大げさかよ」



この感じ、なんだか懐かしい。