――――――……
どこまでも透明な青い海、白い雲が浮かぶ青い空、照りつける眩しい太陽。
季節は夏になり、宿泊の予約も毎日いっぱいで空きがなく、忙しい日々を過ごしていた。
そんななか、久しぶりの再会。
アイツがここに、やってくる――。
俺と咲下はペンションの前で、トラックの荷台から仕入れの荷物を下ろしていた。
「おーい!」
遠く向こうのほうから聞こえた誰かの叫ぶ声。
「おーーーいっ!琉生きゅーーーんっ」
遠くて顔はハッキリ見えないけれど、その叫ぶ声の主が誰なのか、俺にはすぐにわかった。
……くぼっちだ。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)