時刻は、午後2時過ぎ。
俺がダイビングの講習を終えてペンションに戻ってくると、ちょうど翔さんが玄関のドアをタオルで拭いているところだった。
「ただいまー」
「おぉ、おかえり。どうだった?講習は」
「うん、すごく楽しかった」
「そうか。ちょうどコーヒーでも淹れようと思っていたところだから、琉生も一息つきな。凜ちゃんもいま休憩してもらってるけど、部屋かな?」
「咲下は……もしかしたら部屋で休んでるかも。昨日あんまり眠れなかったみたいだし」
「じゃあ、そのまま寝かせておこうか。いまコーヒー淹れてくるから、待ってて」
「はい」



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)