「ムリしなくて、いいよ」 そう言って優しく微笑む彼は、 あたしの瞳を見つめて、あたしの手をそっと優しく握る。 握ったあたしの手をそのまま彼は、自分の耳に持っていき、彼は目を閉じた。 彼は自分の耳にあたしの手をあてたまま、 「ちゃんと聞こえるから大丈夫」 橘くん……。 「俺には聞こえるよ」 そう言って彼は、あたしの心の声を聞いてくれた。 “見つけてくれて、ありがとう”