逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



あたしは彼のほうに振り返った。



彼の瞳を見つめて、あたしは口をゆっくりと開けて動かしてみる。



あれからずっと、失ったままの声。



あたしは首元を手で押さえながら、なんとか声を出そうとするけど、



口から出るのは、やっぱり息だけだった。



どうしてあたし……声が出なくなっちゃったの?



橘くんに話したいこと、



言いたいこと、伝えなくちゃいけないこと



いっぱいあるのに。



どうして出ないの?



どうして……。



いつまで声が出ないままなの……?



もしかして一生……?



そんなの……耐えられない。



耐えられないよ……。