逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




「俺の持ってるカギのキーホルダーは、咲下が修学旅行のとき、俺にくれたやつ」



橘くん……あたしがあげた星砂のキーホルダー、まだ持っていてくれたんだ。



じゃあ、これは……?



「咲下に渡したカギのキーホルダーは、修学旅行のときに俺が渡したやつ」



橘くんがくれた星砂のキーホルダーって……



だって、1ヶ月前のあの日、



あたしは砂浜に落として、拾わずにそのまま……。



「あの日、この砂浜で拾ったんだ。ひどいよなぁ~咲下。俺が渡したキーホルダー捨てちゃうなんてさぁ」



彼は笑いながら冗談っぽく言った。



橘くん……ごめん。



橘くんへの申し訳なさから、合わせる顔がなく、



思わずあたしは彼の胸にしがみついてしまう。



「なんだよそれ……かわいいから許すっ」



彼の服を掴んでいたあたしは、慌てて服から手を離す。



恥ずかしくなって、あたしはくるりと後ろを向いて俯いた。



「でも……咲下がキーホルダーをここに落としていってくれなかったら、あの日、俺は……咲下を見つけられなかったかも……」



橘くん……。