逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




――その日の午後。



いまは体育の時間。



男子はグラウンドで持久走のタイム測定だった。



俺はくぼっちと並んで話しながら、ゆっくりと走っていた。



「だるいなー持久走」



「あぁ」



くぼっちは、ボソッと小さな声で言った。



「みんなさー、橘が咲下のこと好きだって気づいてないのなー」



「えっ!?ちょ……ゴホッ、ケホッ、えっ?」



くぼっちが、しれっとした顔で俺の好きな人を明かした。



誰にも聞こえてないよな?



俺はキョロキョロと周りを見回す。



「急に発表してくるから驚いたじゃんか」



「へへへーっ」



くぼっち、楽しんでるな。



持久走のせいだけじゃない、心臓がいっそうバクバクしてきた。



「学年一可愛い子を振ったのは、咲下のことが好きだからだろ?」