「そういえば橘ってさぁ、いま通りかかった1組の女子に沖縄でコクられたんだろ?」
「は?なんでそれ……つか、もしかしてみんな知ってんの?」
周りにいた4人は、みんなそろって小さく何度もうなずいた。
なんで……おまえらが知ってんだよ……。
俺があの子に呼び出されたとき、こいつら隠れて見てたのか?
「学年一可愛い女子にコクられて、しかも振ったとか、橘って……バカ?」
「そーだよ、橘。彼女いないんだから付き合えばよかったじゃん。もったいねー」
「橘に振られたショックで、沖縄でずっと泣いてたって噂になってたぞー」
俺はため息をつく。
「おまえら言いたい放題だな。まぁいいよ。なんとでも言ってくれ」
そう俺が言うと、横に座ったくぼっちが俺の肩に手を置いて微笑む。
なんだよ?その意味深な笑みは。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)