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早朝、お客さんたちが起きて来る前に、



俺はオーナーと一緒に1階のダイニングルームで朝食をとっていた。



「あの子、大丈夫なのか?」



ご飯を食べながら、翔さんが心配そうに俺の顔を見つめる。



「たぶん……大丈夫だと思います」



お母さんに逢いたいと泣いていた咲下。



お母さんのためにも死んだりしないって、咲下がこれからも生きてくれるって



俺は……信じてるよ。



「今朝早くに出て行ったんだろ?あの子、自分の家に帰ったのか?」



「……それが……わかんなくて……」



「心配じゃないのか……?あの子なんだろ?前に琉生が俺に話してくれた片想いの子って」



俺は小さくうなずいて、味噌汁をゴクンと飲み込んだ。