逢いたい夜は、涙星に君を想うから。







☆琉生side☆



そのまま俺たちは、手を繋いだまま眠りについた。



ベッドの上、壁を背にして座り、毛布に包まっている。



俺の肩にもたれて眠る彼女。



静かな夜、波の音が遥か遠くに聞こえる浅い眠りの中、その肩の重みに幸せを感じた。



繋いだ手のぬくもりに安心して、



再び深い眠りへと入っていく……。






――るり色の空。



もうすぐ夜が明ける。






星は夜しか見えなくて



夜明けには

朝の光とともに



その姿を消してしまう






肩の重み

繋いでいたはずの手






「咲下……?」



――朝の光に、目を覚ましたときには



隣にいるはずの彼女の姿は消えていた。