逢いたい夜は、涙星に君を想うから。





あたしたちはお互いに



お互いの幸せを星に願っていた



ずっと前から……



変わらず、心から祈ってた



「ずっと何もできない、頼りない自分が悔しくてたまらなかった。咲下が街を去って行った日、いつか迎えに行くって心に決めてた」



粉雪が降った17歳の冬、駅のホームを思い出す。



あのとき、橘くんはそんなふうにあたしを想ってくれてたんだね。



あの日、お互いに伝えられない想いがあった。



「もう子供じゃないけど、いまもまだ、大人っていうわけじゃない。それでも……二度と離したくない」



強くぎゅっと握りしめた手。



「これからはずっと……咲下と一緒にいたい」



橘くん……。



「何も心配しなくていいから……だから……」



彼は真っ直ぐにあたしの瞳を見つめる。



「ここで俺と一緒に暮らそう」