逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



自分のため……?



「許さないっていう気持ちが、自分を余計に苦しめてる気がして。そのことばっかり考えちゃうしさ」



昨日の夜のこと、父親の顔が頭に浮かんだ。



「自分が幸せになるためには、許したほうがきっとラクなんだ」



許したらラクになれる……?



自分が幸せになるために、許すだなんて考えもしなかった。



許さないっていう気持ちが、頭も心もそのことばかりで支配される。



相手に向けた怒りなのに、結局自分を苦しめていたんだ。



「苦しめたほうも、それを受け止めたほうも……あとになって気づくことは何かしらあると思うんだ」



そっか。



だから君は……優しい。



「許すことができたら、痛みを知ってまた人に優しくなれる。自分のこともほんの少し好きになれる」



その痛みで知った優しさを、誰かのために。



君は、あたしのために使ってくれた。