逢いたい夜は、涙星に君を想うから。






☆凜side☆



――――――……



どれだけ涙を流したんだろう。



どれだけ時間が経ったんだろう。



窓の外も部屋の中も暗くて静かで……波の音さえも遥か遠くに聞こえる。



夜明けは……まだ来ない。



ベッドの上にふたり、壁にもたれて座っていた。



ふたりで1枚の毛布に包まり、



橘くんは、あたしが泣いてる間もずっと、



何も言わずにただ黙って、あたしの小さな手を握りしめてくれていた。



――あの夜を思い出した。



あたしの部屋で、朝までこうして手を繋いで一緒に眠ったあの夜。



あたしは頭を傾けて、彼の肩にもたれた。



「……眠れない?」



彼の優しく低い声が、頭の上から聞こえた。