「ど、どんな女の子だった?」
「え?どんなって言われても……暗いし、すれ違っただけだし……」
「そう……だよな……」
「琉生くんてば、どぉしたの?なんか顔色が……」
「あ、いや……」
「うーん……愛空よりは年上だと思うけど……琉生くんと同じ年くらいの子かなぁ?あ……ちょっと、琉生くんっ!?」
俺はその場に愛空ちゃんを残し、玄関を飛び出していく。
「ハァ、ハァっ」
砂浜のほうに向かって必死に走った。
俺と同い年くらいの女の子。
地元の子かもしれない。たまたま旅行に来ている子かもしれない。
愛空ちゃんが見かけた女の子が、咲下のはずがないと頭ではわかっているのに。
それでも俺は、気づいたときにはもう走り出していたんだ。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)