何でこんな人が……。 あたしの父親なの……? 「どぉして……?答えてよぉ!」 涙が溢れてくる。 どぉして……お母さんとあたしを捨てたの……? 「どぉして……」 いままでつらかったことが、頭の中で一気に甦ってくる。 心が壊れる前に。 壊れて無くなる前に。 あたしが……すべてを壊す。 気づくとあたしは、床に落ちていた包丁を握りしめていた。 先の尖った包丁の刃を父親のほうに向ける。