逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



「アイツはなぁ、具合が悪くて仕事に行けないだとか言って、離婚した後もしょっちゅう俺に連絡してきた。俺が凜の養育費だけ払っていたと思うか?」



離婚してからもお父さんと頻繁に連絡を取っていたなんて……。



お母さんから、そんな話は一度も聞いたことがなかった。



「凜はまだ子供だから、人が暮らしていくのにどれくらいの金がかかるかわからんだろうが、凜と母親が暮らしていけたのは俺が毎月のように十分な金を渡していたからだ」



あたしは父親を睨みつける。



「だから……何なの……?」



お金がすべてなの?お金があれば何してもいいの?



「……えらそうに言わないで。全部アンタが悪いんじゃんっ!」



――ドンッ!

「父親に向かってその口の利き方はなんだ!」



握りしめた拳でテーブルを叩いた父親は、あたしを怒鳴りつけた。



胸の奥が痛い。ぎゅっと胸のあたりを左手で掴んだ。



「……そうだよ。父親でしょ?父親のくせにあの女と不倫して、お母さんとあたしを捨てたんじゃんっ!」



何もかも、アンタのせいじゃん……!



父親のくせに、裏切った。



父親として守るべき、愛すべき家族を簡単に捨てた。



お母さんもあたしも、いままでどれだけ苦しんで生きてきたかわかる?



この人にはきっと、一生……わかりっこない。