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卒業式を終えた次の日、あたしは朝早くから家を出ていく。



雲ひとつない青空。



「うーっ……はぁ」



空に両手を伸ばして、大きく息を吐き出した。



昨日の夜、面接を受けていたアルバイト先からは、不採用の電話がかかってきた。



同じ日に面接を受けた人がいて、その人はあたしよりも年上で、その職業の経験者だった。



不採用の理由は何も告げられなかったけど、採用する側は、未経験者のあたしより経験者のほうを採用したんだろうと思う。



だけど、あたしも落ち込んでる暇はない。



住み込みで働けるところを一刻も早く探して、あたしは家を出ていくんだ。