逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




「……そうだったね」



「なんで凜はひとりで頑張ろうとするん?人は……ひとりじゃ生きていけん」



人はひとりじゃ生きていけない。



陽太はそう言った。



それでも、あたしはひとりで生きていかなきゃいけない。



明日からはもう、あたしのそばに陽太はいないんだ。



これから新しい世界で生きていく。



あたしはもう子供じゃない。



つらくても、頑張らなくちゃ。ひとりで頑張っていかなきゃ。



「それに……凜は、ひとりやないやろ?」



「え……?」



「ずっと、心の支えにしとったやつがおるやろ?いまも変わらず……」



胸がぎゅっと締め付けられる。



「そいつの前やったら……凜は無理せんで、おれるんやろ?」



どうしようもなく悲しいとき、つらいとき、あたしを助けてくれた人。



願いが叶うようにと、星砂のキーホルダーをくれた人。



あの街を離れてからも、あたしの心を支えてくれた人。



そばにいて欲しい、そばにいたいって思った人。



生まれて初めて恋をして、心から幸せを願った人。



――橘くん。



あたしはずっと、ひとりじゃなかった。