逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



「俺、誰かに憧れられるほどの男やないよ?」



「そんなことない。あたし、陽太に出逢えて本当によかった……」



親友に裏切られて、イジメに遭った過去。



友達なんていらない。



もう二度と、仲良しの友達なんて作らないって。



そう思ってた。



信じたら裏切られる。裏切られて捨てられる。



あんな思いをするくらいなら、ずっとひとりでいい。



傷つきたくなくて逃げてきた。



だけど、陽太と出逢って、あたしはもう一度思えた。



この人と、友達になりたい。



自分でも不思議なくらい、自然と心から思えたんだよ。



陽太はあたしにとって、そういう特別な存在だった。



「陽太は、これからも陽太らしく生きて」



「ん……わかった。俺が凜のこと諦めるかわりに、凜も自分の幸せ考えろ」



「わかってる。これからは、強くたくましく、ひとりで生きていくっ……イタッ」



陽太は、あたしのおでこに思い切りデコピンをした。



「前に……凜が眼帯して学校に来よった日、“俺が凜のこと守ってやるけん”そう言うたん覚えとる?」



「え?あ……うん」



「あのとき凜は、こう言うたよな?“あたしはひとりで大丈夫”そう俺に言うた」