逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




「陽太の言葉で大事なことに気づいた。あたし……やっぱり陽太の気持ちは受け取れないよ……ごめんね……」



「……ほうか、ん……わかった」



「ごめん……ホントにごめんね……」



「何で謝るん?」



うつむくあたしの頭に手を乗せて、髪をグシャグシャとする陽太。



泣きそうになるあたしは、きゅっと下唇を強く噛みしめる。



「凜は何も悪くないけんな」



あたしはうつむいたまま、頭を横に小さく振った。



「本当にごめんなさい」



「凜に謝られると、俺もツライ。やけん、もう謝らんで」



そうやって明るく言ってくれる陽太の優しさに、あたしは胸が痛んだ。



「ねぇ……陽太」



あたしは顔を上げて陽太を見つめた。



「陽太は、あたしがなりたかった憧れの人だよ」



たとえ、本当の自分を隠して無理をしていたとしても。



あたしが陽太の前でいつも笑っていたのは、陽太のような人になりたかったからだよ。



明るくて眩しい……その笑顔で周りのみんなを明るく照らす



太陽みたいな君に、ずっと憧れてた。



だけど、あたしには眩しすぎて、どんなに手を伸ばしても遠くて、届かなくて。



陽太といると楽しかった。それは嘘じゃない。



でもね、あたしはいつだって元気に見せようと、陽太の前で無理してしまっていた。



暗くて、ひねくれた本当のあたしを知られたくなかった。



そういうあたしの気持ちも、陽太はきっと気づいていたんだろうけど、



それでもあたしは、陽太の前で素直になれない。



元気に笑うあたしだけを見て欲しいって思っちゃうの。